イメージ・コンサルタントの荒木裕子です。
私は企業勤務時代に新卒採用責任者をしていた時期が何年かありました。
その関係で、2010年より某国立大学で学んでいる外国人留学生の就活準備講座を受け持っております。
今週の授業で、以前私がある企業のために監修した動画を使い、就活の際の服装に関して説明をしました。
すると学生の一人から、「なぜスーツのジャケットのボタンは、2つの時は上だけ留めて、
3つの時は真ん中だけ留めるんですか?」という質問が出ました。
ボタンが複数付いていても、全部留めてはいけないのが大人の男性のスーツです。
考えてみれば妙ですよね。
150年程前に男性のスーツの原型ができて以来、スーツはひとつの普遍性を帯びた形となって
世界の国々に脈々と受け継がれて来ました。これはスーツ発生の地であるイギリスが、
世界中に植民地を持っていたこととも大きく関係しているでしょう。
ボタンに関して言えば、二つボタンのスーツは上のボタンのみを留め、三つボタンのものは
中一つ掛けにすることにより、男性の最も美しいプロポーションを形成していると考えられています。
スーツのディテールやルールは、どのようにすれば男性のプロポーションが最も美しく、
そしてバランスが良く見えるのか(安定感を感じさせるのか)、1世紀近い時間をかけて
確立されました。その結果、現在のスーツスタイルがあると言えるでしょう。
日本の着物を考えてみても、同じように着こなしのルールがありますよね。それを無視して着ても、
本来の着物の美しさや品格は生まれません。
この何十年かの間、着物を自由な感覚で着ようという提言が何度もありましたが、
一時的にニュースにはなっても、奇抜なだけで一般には全く浸透しませんでした。
つまり、人はそこに着物が本来もつ美しさや品格を感じなかったからでしょう。
服装に関するルールにはそこに至った確固たる理由があり、
そして時間をかけて成り立っているのです。
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就活生向け服装のポイントの詳細は以下のサイトでご覧になれます。