イメージ・コンサルタントの荒木裕子です。
二年連続ノーベル賞受賞者に日本人が輝き、日本中が湧き立っていますね。
ノーベル賞は世界で最も格式のある賞の一つですので、授賞式や晩餐会に出席の際には、
男性は最上級の夜間の礼服である燕尾服(Tailcoat)の着用が求められます。
因みに、タキシード(イギリスでは、ディナー・ジャケットと呼ぶ)は男性の夜間の準礼服。
受賞者のお二人が燕尾服に身を包んだ堂々としたお姿をテレビで拝見しました。
特に東大の梶田先生はお背が高く姿勢が良くていらっしゃるので、
大変見栄えがしてご立派だったことが印象的でした。また、北里大学の大村先生の燕尾服は、
奥様が生前この日が来ることを予測し、仕立てておいた物だそうです。流石の奥様ですね!
さて、この燕尾服ですが、クラシックの奏者や指揮者が着ているとか、ジャケットの後ろが
燕の尻尾のように長くなっているなどは知っていても、「では、ネクタイは何色?
ジャケットの内側には何を着ているの?」と言われると、良くわからない方も多いのではないでしょうか。
まず、ジャケットは原則は黒。シャツはイカ胸のウィング・カラー(胸に白の別生地をU字型に
貼りつけてあり、襟は先が前に折れた立襟)で白い蝶ネクタイを絞めます。
そしてサスペンダーをして胸元が広く開いて襟の付いている白いウエスト・コート
(米語ではベスト)を着用します。
トラウザー(ズボン)には、脇の縫い目に沿って二本の絹のブレード(側帯)が縫い合わせてあります。
これは夜の光の中で輝くようにという工夫です。靴は黒のエナメルまたは内羽根式のプレーントゥを履きます。
招待状のドレス・コードに「ホワイト・タイ」と書いてあれば、燕尾服着用という意味です。また、
タキシードには黒い蝶ネクタイを絞めますので、「ブラック・タイ」となっている場合は、
タキシード着用ということになります。