イメージ・コンサルタントの荒木裕子です。
David Bowie大回顧展へ行って参りました!
決してゆっくりと見ていたわけではないのですが、4時間滞在!
今日は趣向を変えて、衣装の部分を中心にレポートをお届けしますね。
ロンドンの博物館、Victoria & Albertの企画だけあって、
単に偉大なアーティストの死を悼むイベントではなく、
彼の軌跡が実にしっかりと分析されています。
既に9カ国で開催されているこの回顧展は、150万人を動員。
リピーターが多かったというのも特徴だそうですよ。
V&Aのキュレイターによると、Bowieのアーカイブには、
7万5千点の品々が残されていて、その中でも衣装は
一着ずつ間にきちんと紙をきれいに畳んで保管されていたそうです。
厳選された300点の品々が展示されています。通常、どんなロックスターの
アーカイブでも、衣装と新聞記事が少し残っている程度だそうですので、
ほとんどすべてが保管されていた
Bowie のアーカイブは圧巻だったとか。
衣装は皆さんご存知の山本寛斎氏の大胆なデザインのものから
スタイリッシュなスーツまで色々。ウエスト67.5cm、でも脚はしっかりと
筋肉がついていたというBowieの体型に合うマネキンは見つからず、
会場に展示されているマネキンは、今回のためにわざわざ作成したものだそうです。
スーツはラペル(襟)が15cmはあろうかという極端なデザイン
(アカデミー賞のプレゼンターをした時に着用)から
アルマーニまで、様々なデザインを見ることができます。
個人的には、ユニオンジャックを使ったコートが圧巻でした。
このコートを着た後ろ姿の写真も実にアーティスティックです!
衣装は「こんな感じで」とデザイナーに依頼するのではなく、
きちんと自分のアイデアを絵にして、そこからデザイナーに
相談するという形を取っていたので、デザインの原画も残されています。
ビジュアルというものを最大限に利用したBowieは、衣装だけでなく、
メイクアップ、舞台装置、アルバムジャケットのデザイン、写真等、
すべてにおいて、自分のアイデアが常にしっかりとあり、
それを忠実に具現化していったことがわかります。これほどまでに
本人がすべてに関わっているアーティストは他にいるでしょうか。
どんな枠にもとらわれず、多様な生き方と文化を受け入れるBowieの姿勢は、
正に現代に求められているもの。いまさらながら、人よりずっと先を
見通していたのだと驚かされます。どんな奇抜な衣装を着ても、
決して下品にならなかったのは、そこに彼の客観的に見る冷静さと
確固たる哲学があったからではないでしょうか。
会場は若い方々よりも、シニア世代が目立ちましたよ。David Bowieの
シャワーを浴び続けた4時間でした。4月9日(日)まで開催。まだ間に合います!
- 投稿タグ
- デヴィッド・ボウイ