イメージ・コンサルタント 荒木裕子です。

三連休如何お過ごしでしたか。

 

 

さて、本日は最近読んだ

白洲次郎・正子ご夫妻(注¹)に関する本の中に、

服装に関する興味深いお話がありましたので

ご紹介しましょう。

 

 

白洲次郎・正子はお二人とも明治生まれですが、

次郎は10代で英国に渡りケンブリッジ大学で学び、

戦後は連合国軍占領下の日本吉田茂の側近として活躍した後、

数々の組織の要職を歴任した人物です。

彼に関する書籍も多く出版されていますし、

ドラマ化もされていますので、ご存じの方も多いでしょう。

 

 

一方、正子も若くして米国に学び、

結婚後は随筆家として能から骨董に至るまで、

数々の書籍を残しました。

 

 

白洲ご夫妻の娘婿に当たる方が書いたその本には

次郎と正子が服装について語るとき

良く使っていた英語があったとの記述があります。

 

 

その言葉とは、dress updress down

そしてover dressunder dress

 

 

常々「over dressとunder dressに気を付けろ」

と言ってらしたそうです。

 

dress upは日本語になっていますが、 

dress downは、ラフな服装をすること。

over dressは、

カジュアルな服装で行くべき場に、

フォーマルな服装で出かけていくようなこと。

BBQパーティーに

スーツを着こんで行くような感じです。

 

 

under dressはその逆で、

フォーマルが求められている場に、

カジュアルな服で行ってしまうようなこと。

皆スーツで来ている場に、ポロシャツ、チノパンで出かけて行くといった感じです。

この場合は、関係者に恥をかかせてしまうこともありますので

充分に気を付けないといけませんね。

 

over dressもunder dressも、

その場に自分が求められている服装を理解しておらず、

「場違い」という共通点がありますね。

 

 

 

次郎、正子のお二人は、T.P.O.S.Sはスタイル)に応じて、

イッセイ・ミヤケからシャネル、ヘンリー・プール(注²)まで

着こなしていたそうですよ。

 

 

因みに、次郎はロンドンに同行した

娘婿にブレザーを贈ったそうですが、

その際、「必ず、所属クラブなり、

出身校のスクールタイなり、絹のネクタイをしろ。」

「間違っても、ニットタイと合わせるな。

お里が知れるぞ。そういうカスタムなのだ。」と伝えたとか。

 

「服装を親が教えられない時代」と言われている現代、

厳しく教えて下さる方がいたことは、なんとも羨ましいお話ですね。

 

(注¹) 白洲次郎・正子

https://buaiso.com/about_buaiso/jiro.html

https://buaiso.com/about_buaiso/masako.html

(注²)ヘンリー・プール

オーダーメイドの名門高級紳士服店が集中しているロンドンのサヴィルロウの「最古のテーラー」として知られ、世界各国の王室から御用達に認定されている。顧客には古くはナポレオン3世、チャーチル、日本では吉田茂、白洲次郎も。